XYZ理論に基づく活性酸素消去発光飲料

特許の要約・結論

本発明は、XYZ理論として知られている体内の活性酸素消去を意図した活性酸素消去発光食品、特には、活性酸素消去発光飲料に関するものである。
活性酸素消去発光理論であるXYZ理論に基づくスカベンジャ(以下、抗酸化物質)Yおよびメディエータ(以下、触媒)Zとして、ビルベリーエキスをY、脱臭豆乳をZに位置づけし、前記Yがビルベリーエキスのアントシアニン類であり(アントシアニン塩類を100ml当たり200~350mg含有することを特徴とする)、前記Zが脱臭豆乳のヘムまたはノンヘム複合蛋白質であり、前記Zとしての脱臭豆乳の濃度が20~50%vol、前記Yとしてのビルベリー原液が100ml当たり5~30mgを含むことを特徴とする活性酸素消去発光飲料。

※前記脱臭豆乳およびビルベリーエキスに、所定量の糖類、酸味料、香料である添加物を添加したことを特徴とする。

はじめに

東北大学大久保一良教授らが中心となって研究されている、活性酸素(X)を触媒(Z)の存在下での抗酸化物質(Y)の作用により消去する理論である、XYZ理論に基づき、食品としての組み合わせも色々研究されている。(例えば、特許文献1参照)

活性酸素および活性酸素消去理論

活性酸素(X)は、癌、糖尿病、脳卒中をはじめとする現代病の90%の原因であるとも言われており、従来でもこれを消去するための抗酸化物質(Y)として赤葡萄酒やお茶などが挙げられている。
しかし、これらを用いても活性酸素の消去については必ずしも効果、およびその理論は証明されておらず、活性酸素消去時のエネルギー変換により起こる発光現象が確認されたことにより、はじめてXYZ理論としての活性酸素消去理論が確立された。

ビルベリー

また一方、ビルベリーは、ヨーロッパの自生種で主として北部ヨーロッパの低地帯などに自生している。
ビルベリーはブルーベリーに比較してアントシアニン含有量も多く、豊かな色彩と相俟ってその健康薬理機能性、特に眼性薬理により近年その用途も拡がりつつある。しかし独特の苦味もあり、自ずからその利用が制限されてもいた。

大豆

大豆は、従来から「畠の肉」とも言われ、その良質な蛋白質や栄養素に富み、古代より日本人の極めて大切な食品としての地位を保ってきた。
しかしながら、大豆には独特の大豆臭があり、この大豆臭は必ずしも万人が好むものではない。このために、この大豆より大豆臭を取り除く方法も研究されてきている。(例えば、特許文献2参照)

発明が解決しようとする課題

活性酸素(X)を消去させるための、色々の食品組み合わせが研究されているが、趣向品として喜ばれ、且つ、安価で、好ましい栄養バランスのとれた活性酸素消去発光食品、特には、活性酸素消去発光飲料の出現が望まれていた。

本発明は、上記に鑑み、XYZ理論に立脚した、しかも、趣向品として好まれる、ビルベリエキスを抗酸化物質(Y)として位置づけし、栄養バランスの良い脱臭大豆を含有する活性酸素消去発光食品、特には、活性酸素消去発光飲料を提供するところにその目的がある。

発明の効果

本発明の活性酸素消去発光食品により、体内の活性酸素の作用を防止し、現代病の発生を予防することが可能であり、且つ栄養バランスが良く、眼疾にも有効な趣向食品や、特に飲料を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

XYZ理論は、東北大学の大久保一良名誉教授らが提唱した理論であり、活性酸素(X)の消去には、抗酸化物質のスカベンジャ(Y)に触媒機能物質の触媒(Z)を加えることが必要であり、活性酸素消去時において光エネルギーが発生し、消去の効果を測定出来るとしたものである。

即ち、活性酸素(X)は、触媒(Z)のが存在している状態で、抗酸化成分であるハイドロジェンドナー(Y)からプロトンおよびエレクトロンを受け取り、水と光エネルギーに変換される。その発光波長は400~800nmの可視光線領域のものであり、このX、YおよびZの三者が揃うことにより発生する発光現象を検出し、活性酸素の消去効果が測定できると提唱されている。

本願発明にあっては、ハイブッシュブルーベリーやラビットブルーベリーに比較し、アントシアニン含有量が約2倍も多く含まれるビルベリーを、抗酸化物質(Y)に位置付けし、該ビルベリースカベンジャ(Y)に対して、触媒(Z)として脱臭豆乳を組み合わせたところに特徴があり、数多くの実験結果により、最もXYZ理論としての効果を現出させる前記二者の理想的な組み合わせを見出したものである。

【表1】本発明の実施例1における活性酸素消去発行量を比較した結果を示す表である。

(試験温度15℃の場合)

ビルベリー原液添加量[Y]
脱臭豆乳の濃度[Z]
1 5 10 30 50
20
30
40 ×
50 ×
60 × × × ×

Y:[mg/100ml]、Z:[vol %]
◎:発光反応
△:微弱発光反応
×:発光反応なし

【表2】本発明の実施例2における活性酸素消去発行量を比較した結果を示す表である。

(試験温度30℃の場合)

ビルベリー原液添加量[Y]
脱臭豆乳の濃度[Z]
1 5 10 30 50
20 ×
30 ×
40
50
60 ×

Y:[mg/100ml]、Z:[vol %]
◎:発光反応
△:微弱発光反応
×:発光反応なし

【表3】本発明の実施例2における活性酸素消去発行量を比較した結果を示す表である。

(試験温度60℃の場合)

ビルベリー原液添加量[Y]
脱臭豆乳の濃度[Z]
1 5 10 30 50
20 ×
30 ×
40
50
60 ×

Y:[mg/100ml]、Z:[vol %]
◎:発光反応
△:微弱発光反応
×:発光反応なし

【特許文献1】特開2002-000197号公報「飲食品含有活性酸素成分によるDNA損傷が抑制される飲食品」
【特許文献2】特開昭62-3753号公報「脱臭大豆粉の製造方法及びその装置」

※特許書4338509号より抜粋、要約。

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